My Life Style 小寺良二オフィシャルブログ

小寺良二オフィシャルブログ。若者キャリア支援のプロが語る自分のLife Styleの見つけ方。

就職活動はそのうちゲーム大会になる

企業が採用活動で『ゲーム』を実施する理由

企業の採用活動の解禁が12月から3月に後倒しされた2016卒の就職活動。各企業は短縮化された採用活動期間に必死に優秀な学生と接点を取ろうとさまざまな取り組みを行っている。

 

例えば回転寿司チェーン「無添くら寿司」を展開するくらコーポレーションの2016年卒就活生向けの“社風体験イベント”が一風変わっていると話題になっている。「人類滅亡からの脱出」と題されたそのイベント。“社風体験型脱出ゲーム”とのことで、参加者が謎解きゲームなどをクリアし、密室から脱出する“脱出ゲーム”の要素を取り入れたものなのだ。

 

独自性のあるイベントを開催することで口コミを通じて多くの学生を集客することを狙っているのはもちろん、このようなゲーム型のワークをクリアできた学生は「協調性」や「戦略立案力」があることがわかるので、企業も説明会時に学生の能力を評価することができる。

 

企業の採用活動でゲーム型の会社説明会を実施するのは1つのブームのようになっているが、今後はこのような「ゲーム型の会社説明会」だけではなく、就職活動自体がすべてオンラインの「ゲーム大会」になる可能性がある

 

ゲームの中で完結してしまう企業の情報収集と選考

今までは企業の会社説明会は実際にその企業に訪問して直接説明を聞く必要があったが、現在はネット上で会社説明会を実施する企業も多いため、パソコンさえあればどこでも会社の説明を聞くことができる。そして今はスマートフォンがあるので、いつでもどこでも会社説明会に参加できる環境は整っている

 

またさまざまなスマートフォンのゲームアプリも開発されており、今後はそのアプリ内に多くの企業が説明会動画をアップしたり、自社の仕事体験ができるゲームがプレイできるようになるだろう。当然そのゲームで高得点を獲得できた学生は、その仕事の適性があると評価を受ける。

 

そして志望する企業が見つかれば、そのゲームの中で選考を受けることも可能だ。最近はほとんどの企業が性格や能力を測定する筆記試験を実施しているが、試験会場に行く必要はなくなる。すべてそのゲームアプリ内で受験ができるからだ。

 

そして面接もスマートフォンのカメラ機能を使い、オンラインで面接することも可能となる。実際に今年すでに多くの企業がスカイプなどを使ったオンライン面接を実施している。

 

今までリクルートスーツを着て、街を電車で移動しながら行っていた就職活動が、今後はスマートフォンを手にして全国の就活生がゲームで志望企業の選考を競い合う日が来るのも、そう遠くないかもしれない。

 

その状況が良いのか悪いのかは誰も判断できない。しかし大切なのは企業も学生もその機会を前向きに活かそうとすることで、新しい就職活動、採用活動が創っていくことだと思う。