すべての就活生の親がするべき本当の「オヤカク」とは?
「オヤカク」をせざるを得ない企業の事情
最近は内定辞退を防ぐために、
私は企業の採用コンサルティングもしているので、オヤカクをする企業の気持ちは痛いほどよくわかる。決して学生本人に決断力がないから親に確認を取るのではない。学生には内定が出たからといって安易に承諾をするのではなく、親ともしっかりと話し合って理解を得てから決断してほしいと思っているのだ。
しっかり考えて話し合った結果の内定承諾であれば本人の納得感も高く、内定辞退だけでなく入社後の退職も防ぐことにつながる。そういう意味では企業が行う「オヤカク」は学生のためでもあるのだ。
しかし本来「オヤカク」とは企業が個別に親に対して行うべきものではないと思う。
本当の「オヤカク」とは親自身が自分の子供に対して行うべきであり、私の考えではすべての就活生の親は「オヤカク」を行うべきだ。
本当の「オヤカク」は親が自ら行うもの
「親がどのくらい子供の就職活動に関与すべきか」というテーマはさまざまな意見があるが、私は個人的な意見としては子供の就職活動を見守りつつも重要なポイントではしっかり関与してほしい。
その重要なポイントの1つが企業から内定をもらい入社する企業を1社選択して承諾する時だ。その時にぜひ「オヤカク」をしてほしい。
よくやってしまいがちなのが子供に「本当にその会社で大丈夫なのか?」と不安や疑いの気持ちを持って聞いてしまうこと。子供にとっては必死に就職活動を頑張って勝ち取った会社に対して「そこで大丈夫か?」と言われてしまうとモチベーションも下がってしまう。
もし自分の子供が企業から内定をもらい承諾をしようとしている時は、
「その会社のどんなところに惹かれたのか?」
「将来どんな仕事がしたいと思っているのか?」
といった問いを興味・関心を持って聞いてあげてほしい。
その問いによって学生はもう一度自分がなぜその企業を選ぶぼうとしているのか、どんな仕事をやりたいと思っているのかを考えるはずだ。そしてその想いこそが本人がその会社で働く際の「初心」になる。
その学生が入社後にイキイキと働けるかどうかは、企業が親への確認を行ったかどうかで決まるのではなく、本人がしっかりとした意思(初心)を持って入社を決めたかどうかが大きい。
そういった意味では子供の就職活動にどのくらい関わるのかは、その親の価値観やスタンスによってさまざまな形があってよいが、子供の社会人としての初心はすべての親に「オヤカク」を通じてしっかりと聞いてもらいたい。
現在「オヤカク」は企業が内定防止の施策として行っているイメージが強いが、本来は親自身が就活の重要なポイントで主体的に行うべき子供との自然なコミュニケーションなのだから。